明けましておめでとうございます。さて早速ですが、東日本を中心に地震と津波、原発災害が起こった昨年、その年末に繰り返し聞かれたなかで印象深く残っている言葉があります。それはまず「故郷」(ふるさと)、そして次に「忘年ではない、越年。全ての課題が歳を越して持ち越される」(岩上安身氏のツイッターより)です。前者は言わずと知れた大みそか恒例の「第62回 NHK紅白歌合戦」のなかで披露された楽曲のタイトルや歌詞、後者はネット上で配信された年末年始特番「新生IWJぴよぴよ!『ウラ番組をぶっ飛ばせ!IWJが見た!伝えた!激動の2011年』」でのジャーナリスト岩上安身氏の言葉です。同じく年末に聞かれたこれらの言葉は記事冒頭に述べた諸課題、それを抱える被災地を意識してのものと理解しています。激動と言うべき1年であった昨年ほど、人々にとっての「故郷」(ふるさと)、それに関連して先述の岩上氏が言う「歳を越して持ち越される」諸課題を意識した年越しはありません。被災地が抱える問題はもちろんのことですが、わが郷里山梨の地方都市にある中心商店街の空洞化といった問題の取材、その記事化を通して、先に紹介した人々にとっての「故郷」、「歳を越して持ち越される」問題とは一体何か、自らにできうる範囲でそれらの意味を突きつめて考えていく所存です。『大泉千路のブログジャーナル』を本年もご愛読下さいますよう、どうぞよろしくお願い致します。末筆ながら、読者の皆さまにとって本年がよりよい年となりますよう心よりお祈り申し上げます。

   平成24(2012)年 新春
大泉 千路