The truth of inconvenient tax

 最近私はこれからの日本の未来に大きな関わりを持っていくであろう税というものに強い関心を持った。そして税の事を色々と知っていくうちに、この税には使い方や集め方などで2つの問題点があるのだと私は感じた。私が考えるそれらの問題点、言わば政府にとっての「不都合な真実」をこの場を借りて指摘していきたいと考えている。
 先ず1つ目の問題点は、国債を発行する事によって得られる公債金収入が、国の借金である国債費を大きく上回っている事である。
 今、私たちが住んでいるこの日本という国は、過去の借金を返済する為に私たち国民の血税の中から1年間に約20兆円を使っている。しかし一方でその返済額を上回る約36兆円ものお金を同じ1年間で借金しているのだ。こんな自転車操業の様な事をこのまま続けていたら、何時かこの国は国家破産し、再起不能の死に体になるであろう。
 だからと言って、前述した公債金収入で1円も得るなとまでは私も言わないが、少なくとも、公債金収入が借金額を上回らない様に福田新総理をはじめとする政府は最大限に努力すべきであろう。そうしなければ、次の世代に大きな負担をさせることなく547兆円もの国の莫大な借金を返済する事など絶対に不可能である。そう私は断言したい。
 だからこそ、1年間当たりの国の借金額をもう少し減らせる様に政府は国債発行に歯止めを掛けて公債金収入を減らすべきなのだ。それこそが真に私たち国民の生活を確りと守っていくという事であり、国民の願いに応えて、血税を正しく利用すべき者としての責務を果たすという事であろう。福田新総理にはそういった事を分かって貰いたい。
 2つ目の問題点は、異常な程に防衛関係費(分かり易く言うと、世界で言う軍事費というものである)の支出が多く、教育関係費と同じ位である事だ。
 国家、そして私たち国民を守る為だからと言っても、憲法の中で平和主義を掲げる国が毎年5兆円近いお金=血税を防衛関係費の為に使うのは絶対におかしく、「国家百年の大計」とも言われる教育関係費(支出の内訳の中では文教及び科学振興費と言っている)と防衛関係費との配分も明らかに間違っているものと思える。
 また私はこの税に関する記事を書き上げる為に様々な情報を集めたが、その中にはスウェーデンのストックホルム国際平和研究所が発表した「SIPRI年鑑2007年版」というものがある。その年鑑には世界の軍事費が掲載されており、これを見るとこの国がどれだけ軍事費にお金を費やし過ぎているかがよく分かるのでここで皆さんにご紹介しよう。
 この調査での第1位はダントツでアメリカ合衆国で、次にイギリス、フランス、隣国中国と来てわが日本が第5位でランクインしている。そもそも憲法9条の中で戦力は一切保持しないものと定めている日本がこの調査において第五位で入り、他の軍事国家とともに名を連ねているという事自体がおかしい様に私には思えてならないのである。
 少し話は変わるが、ある日突然辞任を表明した安倍前総理の後任として内閣総理大臣に就任した福田 康夫氏は、先日の第168回国会での所信表明演説の中で「行政経費の絞り込み等により、2011年度には国と地方の基礎的財政収支の黒字化を確実に達成するなど、歳出・歳入一体改革をさらに進めます」という事を述べておられている。
 財政再建や歳出・歳入一体改革を福田新総理が本気で行う心算なら、膨れ上がっている軍事予算の大幅削減を断行し、その削減分を国民生活に関わる支出や国家歳出の中でパーセント割合が低い経済協力費等の支出の方に充当すべきであろう。それが自分たちの生活すら苦しいながらも何とか税金を払っている多くの国民の心からの願いだ。